ソックスへのこだわり
普段履くもの、練習用、レース用と3パターンを使い分けています。まだ理想のソックスに出会えていなかった頃、シューズの中でソックスがズレて靴擦れを起こしていた時期もありました。雨や汗などで濡れたときは皮膚が柔らかくなり、その摩擦でマメや水膨れができてしまったり。僕の走りは蹴りが強いので、グリップがついていないとシューズの中で足が遊んでしまう。なので、いまではレースのときはずっと同じソックスを愛用しているほどですね。
様々なフィールドで活躍するアスリートがSTICKERを履き、感想を語るシリーズ。最初のアスリートは、マラソン界で頭角を表し、いま大注目されている高久 龍。日々の練習から勝負を懸けるレースまで、彼にとってソックスとはどういうギアなのか。インタビューとともに、ソックスの機能についても解説する。
普段履くもの、練習用、レース用と3パターンを使い分けています。まだ理想のソックスに出会えていなかった頃、シューズの中でソックスがズレて靴擦れを起こしていた時期もありました。雨や汗などで濡れたときは皮膚が柔らかくなり、その摩擦でマメや水膨れができてしまったり。僕の走りは蹴りが強いので、グリップがついていないとシューズの中で足が遊んでしまう。なので、いまではレースのときはずっと同じソックスを愛用しているほどですね。
練習でもレースでも走ることが仕事なので、ソックスの消耗数がとにかく多いんです。なので、たくさんのこだわりがありますが、まずは速乾性と摩擦が少ないこと。さらに願わくば耐久性があるとなおいいですね。カラーはシューズと合わせたいので、白か黒のものを選ぶことが多いです。
ランナーは体重やフォームなど様々な要因で脚に負担がかかるので、クッション性のあるソックスを選ぶことが大切だと思っています。僕はスピード練習やレースでは厚底のシューズを選ぶので薄めのソックスを履きますが、脚づくりのジョギングをするときは薄いシューズを履きます。その時にクッション性のあるこのソックスを履くと、練習の負荷をかけながらも故障のリスクは減らせるというメリットを感じています。
このSTICKERのソックスは踵部分が足にフィットするように編まれているので、キュっとする感覚がいいですね。普通のソックスだと走っているときにソックスが置いていかれる感じがするのですが、足とシューズが一体となって一緒に動いてくれるので蹴りやすいですね。「シューズがくっつく」というキャッチフレーズは、ほんとそのまんまの感覚を味わえます。グリップの良さも実現されているし、きつすぎず程よいアーチのサポートも心地いい。とても履きやすいソックスです。
僕はプロなので、週に一度はシューズを洗って手入れしたり、練習やレースで使用するギアは丁寧に扱うのが当たり前の世界で生きています。走っているときにソックスがどんどん中に入り込んでズレてしまうと、それだけで集中力が切れてしまう。そういう少しの差で感覚が変化するので、いまでもソックスを履く前にベビーパウダーを足にはたいて、足を乾燥させてから履いています。練習でもレースでも、自分が目指す質を追い求めるにあたり、ギアにおいても細やかな配慮が必要不可欠。
市民ランナーの方の中にはヒールストライカー(踵から着地すること)の方も多くいらっしゃると思うので、この踵部分が分厚いのはメリットですね。踵にかかる負担が、このソックスを履いていれば軽減できると思います。ソックスに気を遣うことでいいフォームで走れるきっかけになったり、怪我のリスクも減る。僕たちのようなマラソン選手がシューズについて言及している情報があまり世の中に出ていないと思うのですが、シューズ選びにこだわるのと同じように、ソックス選びにもこだわって一緒に走ることを楽しみたいですね。
陸上競技選手。専門種目は、長距離。
栃木県出身、那須拓陽高校、東洋大学卒業。
現在ヤクルト所属。マラソン日本歴代4位の記録保持者で、PBは2:06:45。
Credit : interview/text:Marina Kitagawa photo:Takashi Imai